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同人誌づくりの注意点

同人誌は、個人でもサークルでも自由に出版できるところが魅力です。
同人誌の歴史は古く、明治時代に小説の同人誌出版がなされてから、長い歴史があります。長らく、マイナーな分野として、小説や句集などの同人誌が発行されてきました。
それらは、完全にオリジナルのものがほとんどでしたが、近年、マンガやイラストの同人誌が主役になってきています。
コミックマーケットに代表されるように、同人誌の展示即売会が全国で開催され、活況を呈しています。
このように、成長している同人誌市場ですが、同時に様々な問題があるのも事実です。
同人誌を作る時、どんなことに注意すべきなんでしょうか。

著作権侵害に注意を

漫画の同人誌は、かなりの数が「二次創作」と呼ばれるものになっています。 二次創作とは、元々商業誌や漫画、テレビなどの一時創作物を使って、そこにオリジナルのストーリーなどを付加して作るものです。

ここで注意が必要なのが「著作権」の問題です。
二次創作を積極的に認めたり、支援している一次創作者もいます。認めている人は、同人誌の活性化が、漫画やアニメ、イラスト業界の発展につながるという思いで支援しているのだと思います。
しかし、二次創作を認めていない、一次創作者もいます。そうした人の著作物を、勝手に使って二次創作をすると、明らかに著作権侵害にあたります。
二次創作をする際は、著作権をクリアしたものかどうか、充分に気をつける必要があります。

その他にも、タレントや俳優の写真を勝手に使って、広く頒布することは、著作権や肖像権の侵害になります。
「表現の自由」は、当然守られるべきですが、だからといって、なんでもありというのは、ちょっと違います。
著作権には、充分に気を使って、同人誌を作りましょう。

成人向け同人誌について

同人誌の35%が、成人向け同人誌というデータがあります。成人向け同人誌は、同人誌市場の中でも大きなウエイトを持っているのです。
もちろん、成人向けがダメだというつもりはありません。
しかし、最近の同人誌を見ていると、行き過ぎた性表現があると思うのは、私だけでしょうか?
ほとんど、無修正に近い描写で、申し訳程度にスミの細線を入れている漫画など、だんだんと過激になっているように思います。

2013年に、ある出版社の編集者が、この行き過ぎた歌劇表現のために摘発されるという事件がありました。
これを受けて、一般誌では修正処理をより厳しくするという流れになっていて、同人誌も同様の流れになってきています。
そういう流れを充分に踏まえた上で、成人向け同人誌を作成することにしてください。
摘発されなかったら良いという考えは好きではありません。また、摘発された事例があるから、修正を厳しくしようというのも、発行者としての倫理観に欠けていると思います。
墨消しやモザイクは、完全に形状などがわからないようにするのが、マナーだと思うのですが、いかがでしょうか。